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デザイン進級制作の審査員を務めました【SDGs】

お知らせ

 とあるご縁を頂きまして、デザイン専門学校の進級制作の発表会にて、外部審査員をさせて頂きました。

 参加したのは、創造社デザイン専門学校のグラフィック専攻科の1年生たちの審査です。
この学校では、5年ほど前から「SDGs」に力を入れているそうです。すべての専攻課程の進級・卒業制作において、グラウンドテーマを「SDGs」にされています。学生たちは自分なりにSDGsにある社会課題をジブンゴト化しながら、考察を深め作品制作に励みます。

 2日間、40人弱の学生のプレゼンを聞かせて頂きました。仕事柄、デザインに触れる機会が多いですが、学生のレベルの高さに目を剥き剥きました。若い感性で考えられたアイデアは目を見張るものもありました。
 学校にも許可をいただいたのでいくつか作品紹介をさせて頂きます。

青谷七海さん

生物多様性を学ぶ体験型イベントを企画されています。
触ったらダメと言われれば、触りたくなっちゃう。子どもの好奇心を満たしてくれるアイデアになっています。
英語のドントタッチミー(触るな危険)と どーんと触ってくれよ が掛かっているこのタイトル、とっても大好きです。危険生物をグロテスクな色合いの背景にしつつ、タイトルのおかげで楽しい雰囲気のイベントに仕上がったなぁと感じました^^

狭川祐実さん

たわしをきっかけに見直す、昔からある丁寧な暮らし をコンセプトに棕櫚たわしのブランディングを発表されていました。
実際に棕櫚たわしをさわらせていただきましたが、とても柔らかい肌触りで良い道具であることが触った瞬間に感じられました。
「国産の棕櫚は現在ほとんど棕櫚の生産がないため、日本のほとんどのたわし屋は、輸入した棕櫚を使用しています。実際に触って頂いたたわしが柔らかかったのは、普段見ているたわしはそもそもパーム(ヤシの木)であるため使っている素材がまず違うこと、そして棕櫚を使い続けてきたたわし職人さんが手作りで作っていることが、あの肌触りになっています。もちろん、国産の棕櫚が流通するようになればさらに良いものができると考えています。」とのことです。
狭川さんは実際に地元のたわし生産者さんにもフィールドリサーチをされていました。
伝統産業の衰退という課題に対して、しっかりとジブンゴト化された作品になっていると思います。

中川隆太さん

「バカの考えたSDGs」という本の出版を想定された作品です。
ご自身が「バカでもわかる」系の本がお好きなんだそうで、そこからのアイデアの発想なのですが、発想の主体がバカになっているのが、なんか新しいなぁ、と思いました。
SDGs自体の敷居を下げたいという想いで企画されていますが、その想い自体が「誰一人取り残さない」を体現しています。
地球を背景にした壮大なポスタービジュアルですが、タイトルは、、、 こういうのん個人的に好きです。

西宮悠さん

ゴミを一切出さない江戸時代の販売方式「通い徳利(とっくり)」から着想を得たメンズスキンケアブランドの作品でした。「通う」ことで生まれるコミュニケーション自体に独自の価値を設定している部分が斬新でありながら、懐かしいコンセプトでした。
コンセプトに基づいたロゴ・プロダクト・ツールへのデザインのアウトプットもしっかりされていました。

山本阿子さん

ギフトバッグの製作所のアイデアです。以下、ご本人のコメント引用です。
“ラッピングは開けてもらった後に捨ててしまうものが多く、せっかくの温かな気持ちに妥協してしまうことばかりでした。ラッピングにも新たな選択肢を与えたく、ギフトバッグをカスマイズできるサービスを考えました。日本の機屋さんやニット工場からでた残布や残糸を活用し、日本の織物について知ってもらい、つくりて、えらびて、もらいてを繋げます。”
ギフトのラッピングってどうしても過剰な包装になることがありますが、包装自体に贈り物の想いを載せて、ギフトバック自体も使い続けてもらえることで、その想いが継続される。とても良いコンセプトだと感じました。
山本さんの作品は、選抜の公開プレゼンで学科トップの「学校賞」に選定されたそうです。
ご自身が感じていた課題と、それを実現するためのアイデアの具体性、そして「想い」が評価者の琴線に触れた結果だと思います。

他の作品、どれも素晴らしいものでした。私が参加したのはグラフィック専攻科1年生の進級制作でしたが、他の専攻課程・年次の作品も特設サイトで紹介されています。ぜひご覧ください。

学生の皆さま、お疲れ様でございました!!

創造社デザイン専門学校は開校55年超の歴史をもつ、デザイン系の専門学校です。広告・プロダクト・空間・ゲームなど、クリエイティブ領域で数多くの優秀な学生を送り出しています。

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